2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

錚吾労働法

一九九回 審問抜きの命令 労働委員会が発足した初期に、岐阜県労働委員会は、調査後に審問を経ないで不当労働行為救済命令を発したことがあった。裁判所は、審問を経ないでした救済命令を違法であるとして取り消した。しかし、この判決によって審問を経ない…

錚吾労働法

一九八回 労働契約④労働契約と期間 かって、労働契約は、その期間を定めるときは、1年を超える期間を定めてはならないとされていた。労働者を雇用する使用者は労働者に対して(労働者の親とも結託して)何をしでかすか分からないという警戒感を、国も隠して…

錚吾労働法

一九七回 労働契約法③合意の原則 構想段階では大法典となるはずであった労働契約法は、一読すればよく了解することが出来るだろうが、契約的思考では当たり前の「合意の原則」(1条)を真っ先に掲げている。しかし、この点は良いのだが、構想段階の大法典主義…

錚吾労働法

一九六回 労働契約法②合意の原則 労働契約は、労働関係の当事者たる使用者と労働者との合意によって基礎づけられる。その内容もまた、合意によって形成されることとなる。しかし、労働契約の内容の形成を労働関係の当事者の自由な合意に委ねる「当事者自治の…