2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

錚吾労働法

一四三回 有期労働契約を規制すべきか⑤ 有期労働契約の入口規制は、連合など労働団体の皆さんの主張の熱心さのも関わらず、どうも具合が宜しくないように思うな。じゃあ、使用者団体がいう「有期労働契約の出口規制」はどうかな。厚労省が提示した案に「入口…

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一四二回 有期労働契約を規制すべきか④ 入口規制は、「有期労働契約の締結時に有期労働契約による」という理由が存在しなければならない。その「理由が存在しなければ、期間の定めを置くべきではない」。この考え方は、労働市場が拡大基調で労働者不足のとき…

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一四一回 有期労働契約を規制すべきか③ 有期労働契約を「入口規制」すべきであるという意見がある。「有期労働契約の入口規制」という言葉は、そこの君、新聞によく出てきたから知ってるでしょ。「何!知らんとな。ウーン、ムニャムニャ」。「有期労働契約の…

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一四〇回 有期労働契約を規制すべきか② 有期労働契約は、様々な必要に応ずるために使用者と労働者との間で締結されてきたものである。有期労働契約の規制といっても、有期労働契約を禁止するなどは不可能である。近時悪評の的となっている派遣契約の禁止だっ…

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一三九回 有期労働契約の規制は必要か① 有期労働契約は、期間の定めのある労働契約と言ってきたものです。 ① 有期労働契約は、特定の仕事が一定期間存在し、かつその期間の満了時にはその仕事が無くなるであろうという場合を想定し、その間その仕事のみを行…

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一三八回 ヨーロッパ共同体法による使用者破産時の賃金支払い 企業は、永遠のものではありません。アメリカ人のように、企業の平均寿命・平均余命なんてどうでもよいことに一喜一憂はしませんよ。だがじゃ、寿命が尽きる企業のまあ多いこと。つい最近も、「…

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一三七回 ヨーロッパ共同体法による解雇規制② 大量解雇の形式的な手続については、前回で述べた通りです。今回は、大量解雇が許容されるのは、いかなる条件を満たした場合なのかについて書いておきます。ここで言う条件は、大量解雇も有り得ることではあるが…

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一三六回 ヨーロッパ共同体法による解雇規制① 労働者の国際異動や国境を越える就職・就労が増加すると、自分にとっての適用法、現行法はどういうものかを常に意識しなければなりません。日本で日本人が働くときには、日本の労働法をそんなに意識していないと…

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一三五回 外国で解雇⑥ ドイツの解雇制限法に従って説明しましょう。解雇制限法1条1項は、「社会的に正当でない」解雇の無効を明言している有名な規定です。客室乗務員の解雇が、経営上止むを得ないとしてなされたとしよう。この場合、航空会社の経営状態が…

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一三四回 外国で解雇⑤ 外国籍の航空機や船舶は、日本の空港や港湾にあっても、その航空機内、船舶内は外国領内であるとされています。ドイツの航空会社に雇用されている日本人乗務員がいるとして、ドイツ国内発信の解雇通告を日本領空を飛行中の機内で受信し…

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一三三回 外国で解雇④ 労働契約の解除、人員整理の場合に、中国労働契約法には「経済補償金」と「賠償金」の制度があります。 「経済補償金」は、次の場合に雇用単位により労働者に付与されることになっている(同法46条)。 (1)中国労働契約法36条に…