2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

錚吾労働法

一六二回 ユーロ危機の教訓と労働関係 ハッキリ言っときますが、わたしゃ、鬼面ひとを驚かす類の話はしたくないわさ。しかし、もう黙っておれんぞ。「国債発行残高が1000兆円越えても日本は大丈夫。国民の預貯金総額のほうが多いから」なんてたわごとを…

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一六一回 労働者派遣問題⑭ 民主党と連合の皆さんは、派遣対象となる26業種(施行令4条)を圧縮することと、日雇派遣の禁止をおこなうことを主張してきましたよね。これは、派遣切りによって多くの労働者を路頭に迷わせた苦い経験に基づく主張であったので…

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一六〇回 労働者派遣問題⑬ 派遣先事業者の責任について考えておこう。派遣元事業者は弱小企業であることが多く、責任感も希薄なことが多い。派遣労働者の需要が増大して派遣業を解禁した事情からして、派遣先事業者に派遣労働者の労働を指揮命令を使用するこ…

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一五九回 労働者派遣問題⑫ 派遣元に雇用されて派遣先において指揮命令を受けるのが、派遣労働者だったよな。これは、派遣法の定めから明らかなことです。しかし、最近は、派遣労働者が派遣先事業者との間にこそ雇用関係が存在していると主張する事例が見られ…

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一五八回 TPPと労働問題④ TPP交渉参加問題を途中で挟んだから、鋭い学生諸君は国際労働者派遣の可能性はあるのかないのかと考えているに違いない。だろ?TPPに関連して、派遣業者の中にはチャンス到来とばかりに小躍りしているところもあるでしょうね。外国…

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一五七回 TPPと労働問題③ 看護師として研修した女性達への日本での看護師資格の付与のための試験の評判がよろしくない。外国が承認した職業資格を日本では認めないのが、これまでの日本の立場なんだよ。神戸地震のときでも、外国の医師は診察まかりならんだ…

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一五六回 TPPと労働問題② 交渉参加へ向けて協議するという首相説明は、山田議員のように交渉に参加するんじゃないから安心したというように理解する人もいます。交渉に参加するためには、遅れて行くわけだから入ってもいいですかと聞かなくちゃならないし、…

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一五五回 TPPと労働問題① TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉参加については、連日マスコミで賛否両論が報道されてたよな。だがじゃよ、農協や医師会が反対と言い経団連や商工会が賛成というので、国民の中には、TPPは主として農業問題だと思ってる人が…

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一五四回 労働者派遣問題⑪ 派遣労働者の派遣先での仕事が特定されていて派遣先労働者がそれには従事しない場合と派遣労働者が派遣先労働者と渾然一体となって働いている場合とが、区別されるべきであろう。前者は、派遣先での仕事が派遣労働者にのみ割り振ら…

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一五三回 労働者派遣問題⑩ 派遣法2条6号に「紹介予定派遣」て書いてあるな。このことからどんなことが分かるかな。派遣業者は、有料職業紹介業を同時に営んでいることが多いってことだよね。職業紹介に対する厳しい法規制の時代を知っている者にとっては、こ…

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一五一回 労働者派遣問題⑧ 偽装請負なる新たな問題が、存在すると言われています。この問題に関してはこれまでにも少々触れたんだった。この場合の偽装なる概念は、昭和61年の労働省告示にその根拠があるんだったな。記憶してるかな。偽装というのは、世の中…

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一五二回 労働者派遣問題⑨ 一人でも労働者を雇用すれば、使用者は使用者としての責任を負うことになります。労働者派遣先による指揮命令の事実があるからといって、それだけでは、派遣元(使用者)以外にも雇用契約上の使用者(派遣先)が存在するとはいえな…

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一五〇回 労働者派遣問題⑦ 労働者派遣業者は、常時雇用するかどうかは別として、労働者の雇用主、つまり使用者というわけだ。使用者たる派遣業者は、派遣元事業者として派遣先事業者との間で「当事者の一方が相手方に対し労働者を派遣することを約する労働者…

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一四九回 労働者派遣問題⑥ 労働者派遣という新手の事業が登場して、雇用と請負の区別が曖昧になってしまった。派遣法2条3号の「労働者派遣を業として行う」事業者であるかどうかを厳密に判断するためには、どのような指標に着眼したらよいのだろうか。この…

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一四八回 労働者派遣問題⑤ 労働者派遣業界はいろいろと問題が多いってことが、これまでの説明で理解できたかな。さて、今回は、一般労働者派遣事業(一般派遣業)について見てみようか。、一般派遣業は、特定派遣業以外の労働者派遣事業のことです。派遣は使…