2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

錚吾労働法

三八回 労働時間ーその5労働時間法② 労働時間法が複雑化したとしても、1週40時間1日8時間が、労働時間法制の根本です。まずは、この原則規定に関わる紛争について考えましょう。 タイムレコーダーの設置場所が会社の門であったり、あるいは門たら離れ…

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三九回 労働時間ーその6労働時間法③ 労働条件の明示義務(労基法15条1項)との関係で言いますと、労働時間は、労働者に対して必ず明示されねばなりません。そこで、使用者が、1週40時間、1日8時間とのみ口頭表示したとします。この場合、誰でも分か…

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四四回 労働時間ーその10労働時間法⑧ 最初に、被災者の皆さま、犠牲者の皆さまに真心からお見舞い申し上げます。それ以外の言葉は、思い当たりません。どうか御身お大切に。 いま大変なことになってるから、読んでくれている方々と一緒に考えよう。地震だ…

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四五回 労働時間ーその12労働時間法⑨ 朝から労働して昼には休憩する。労働者の多くは、このパターンで労働・休憩・労働を日々繰り返しています。労働者が働く職場は、様々です。一次産業でも、漁業の場合には、魚群を前にして休憩していてはおまんまのくい…

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四六回 休日と年次有給休暇休暇ーその1休日 休日とは、労働日ではない日です。年次有給休暇または年休は、労働日ではない日、または労働日の一部について労働義務が無い日のことです。そのいずれにおいても、労働者は労働義務から免れることになります。労…

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四七回 休日と年次有給休暇ーその2休日② 休日の振り替えとは、どういうことかな。休日が使用者の意思で何時でも変更されるならば、労働者が休日を自由かつ計画的に利用することができない。だから、休日がいつかを特定しないと駄目なんだ。休日の振り替えは…

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四九回 休日と年次有給休暇ーその3年休 年次有給休暇、通常は年休と言ってます。労基法39条1項は、使用者は、その雇入れの日から起算して6カ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与え…

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五三回 裁量労働 その1専門業務型裁量労働 企業内で一定の業務を行うときに、プロジェクト・チームを組んでいることがあると思います。そしてこのチームの行う開発業務についてはこのチームに裁量権を与え、使用者の側からは指揮・命令の余地が無いような場…

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五五回 労働時間・休憩・休日の適用除外 労基法41条は、労働時間等について「適用除外」についても定めています。適用除外というのは、労基法を適用しませんという意味です。適用しませんというのですから、適用されない労働者についての詳しい情報が必要…

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五七回 計画停電と休業 東電の原子力発電所の暴走によって、今後様々な諸問題が発生して来ることになるでしょう。第2グループに入っている我が家では、夜の暖房ができず、震えあがってしまいました。近隣のホテルは、休業しているところがあります。喫茶店…

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六〇回 年少者の保護④労働時間など 年少者を成年者と同じように働らかせるのは、適当ではありません。

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六一回 女性労働者の保護 女性労働者をただ女性だから保護せねばならないなどと、考えてはいけません。保護という名の女性への不利益強要は、あってはならないことです。高所に行けない建築家じゃあ、仕事にならない。坑内労働ダメなどと言っていてよいのか…

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六二回 育児と介護 少子高齢化社会が到来しております。こどもを大切に育てるのは親の当然の責務であり、老親など家族の介護もまた若い家族成員の神聖な役割です。また、これらの責務と役割は、私的なものであるばかりでなく、社会的なものであり、その円滑…

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六三回 育児と介護② 平成3年に、育介法(「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)が制定・施行され、20回の改正を経て今日にいたってます。①で述べたように、育児・介護は単なる家庭の問題を超えて、社会の、また国の…

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六四回 育児と介護③ 2 子の看護休暇 「小学校就学の始期に達するまで」の子を養育する労働者は、事業主に申し出て「1年度(4月1日から3月31日まで)」に5日、同様の子が2人以上の場合には10日を限度として、子の怪我、疾病の看護のため、疾病の予…

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71回 原子炉事故と労働⑥ 原子炉事故によって、どのような事象が発生し、労働者がそれとどのように格闘してきたかについて、引き続き書いておきたい。重要なことは、炉心とプールの冷却である。19日現在、「緊急炉心冷却装置(ECCS)」は一度も作動し…

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71回 原子炉事故と労働⑥ 原子炉事故によって、どのような事象が発生し、労働者がそれとどのように格闘してきたかについて、引き続き書いておきたい。重要なことは、炉心とプールの冷却である。19日現在、「緊急炉心冷却装置(ECCS)」は一度も作動し…

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七十回 原子炉事故と労働⑤ 毎時の被曝線量の設定は、自然界以外で放射線が実際に観測されるような環境での労働については悩ましい問題です。子佐古氏の内閣府参与辞任は、この問題の難しさを浮き彫りにしました。専門家だけではなく、現場の近隣住民だあるか…

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六九回 原子炉事故と労働④ 労働者の被曝は、確実に発生している。遺伝子レベルでの検診も、なされることとなろう。業務上の負傷または疾病についても、未だ確実な医学的知見が確立されていない被曝の程度をきちんと検討して、その存否が確定されねばならない…

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六八回 原子炉事故と労働③ 新聞などマスコミ各社が報道している原子炉及びその近辺での労働は、原子炉のこれ以上の暴走を鎮静化させようとする「英雄的労働」であって、まことに過酷な、未経験な労働です。自分の命を的にして戦う労働です。これらの労働に従…

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六七回 原子炉事故と労働② 250mSv。これは、福島の事故原子炉で働いている労働者が被曝する線量の上限とされる線量です。厚労省は、3月15日、省令改正により、事故原子炉での「緊急作業時」の限定して、体にうける放射線の被曝線量の限度を100m…

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六六回 原子炉事故と労働① 3月11日の東北地方大地震とそれに伴って生じた原子炉事故は、人類が初めて経験する未曾有の大災害となってしまいました。放射線または放射能を有する物質が、かなり広範に飛散したと思われます。震災の被災者には、自宅への帰宅…

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六四回 育児と介護③ 2 子の看護休暇 「小学校就学の始期に達するまで」の子を養育する労働者は、事業主に申し出て「1年度(4月1日から3月31日まで)」に5日、同様の子が2人以上の場合には10日を限度として、子の怪我、疾病の看護のため、疾病の予…

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六三回 育児と介護② 平成3年に、育介法(「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)が制定・施行され、20回の改正を経て今日にいたってます。①で述べたように、育児・介護は単なる家庭の問題を超えて、社会の、また国の…

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六五回 雇用調整助成金 大震災のために職場の縮小、休業、廃業など労働者にとっても事業者にとっても辛いことが起こっているよね。何とかならないかと言っても、なかなか良い知恵は浮かんできませんね。何の慰めにもなりなせんが、「雇用調整助成金」につい…

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六二回 育児と介護① 「少子高齢化社会」が到来しております。こどもを大切に育て(「育児」)、病気になったら手厚く「看護」するてるのは親の当然の責務であり、老親など家族の「介護」もまた若い家族成員の神聖な役割です。また、これらの責務と役割は、私…

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六一回 女性労働者の就業制限 女性労働者をただ女性だから保護せねばならないなどと、考えてはいけません。保護という名の女性への不利益強要は、あってはならないことです。高所に行けない(「高所制限」)建築家じゃあ、仕事にならない。18才以上の女性…

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六〇回 年少者の保護④労働時間など 年少者を成年者と同じように働らかせるのは、適当ではありません。成年と未成年とを何才で区分けするべきかという問題は、本当のことを言うと、重要な問題です。ひところに比べれば、未成年者の体格は立派になったと思いま…

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五九回 年少者の保護③未成年者の賃金請求権 当たり前のことですが、労働契約を親権者又は後見人の同意を得て締結して労働している未成年者は、使用者に対して賃金を請求することが出来ます。賃金を請求し、又は受領するに際しては、未成年者は、親権者または…

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五八回 年少者の保護②労働契約 未成年者が労働するに際して、労働契約をその使用者との間に締結することになります。労基法58条1項は、「親権者」又は「後見人」は未成年者に代わって労働契約を締結してはならないとしています。民法5条は、未成年者の法…