錚吾労働法

 一八回 賃金ーその4支払い方法
 使用者は、労働者に対して毎月1回以上、定期日(支払い日)に賃金を支払わねばなりません。15日締め切り27日支給というようなことを聞いたことがあると思います。
 締め切り日は、賃金額を確定するための日付です。前回締切日の翌日から当回の締切日までの間の労働実績を正確に計算しなければ、正確な賃金額を確定することができません。
 この間には、欠勤、遅刻、早退、時間外労働、勤務中の外出、出張、争議行為などの組合活動などのことがあったかもしれません。これらを正確に算定し、支給する正確な賃金額を決定しなければなりません。締切日が不定でぐらぐらしていては、正確を期すことができません。
 使用者は、正確に確定された自己の賃金債務を履行します。確定日というのは、履行日のことです。この日に履行しないと、債務不履行履行遅滞)となります。支給日の翌日から、未払い額を元本とする年5分の利息が発生します。
 月1回以上というのは、月給制ばかりではないからです。週給制のばあいには、毎週1回の締切日を設定して、週間の労働実績を計算しなければなりません。日給制の場合には、労働終了時にその日の賃金を支払わなければいけません。
 賃金は、労働の対償で、労働者の生活の糧です。賃金の控除は、トラブルの原因となります。控除するについて法令に根拠がある税金や社会保険料、労使協定に根拠のある組合費の控除は、問題ありません。